愛の形を語るマフィア達




「二十四時間耐久ペッティング?」
「んにゃ、三日三晩らしい」
「メシは?」
「食えるんじゃね?」
「トイレは?」
「…休憩ありかな」
「……なんの話してるんスか十代目!」
 え?と二人は振り返った。ベッドの上に山本と二人胡座をかいて、額を突き合わせ聞こえてきた単語がこれでは、もちろん獄寺の怒るのは仕方ないと思うが。
「セックスの話」
 獄寺が山本に殴りかかろうとするのを、沢田は防弾を来た獄寺の腹にデリンジャーを一発ぶっぱなすことで止めた。
「十代目、愛が痛いっス」
「だろうね。オレは毎晩思ってる。たまには挿されてみる?」
「オ………オレ、十代目のためなら!!」
 残った一発も腹にぶち込む。流石に気絶してしまった。
「至近距離で二発はねーぜ」
 山本も言う。
「獄寺くんが悪い。オレ、もう獄寺君に挿入とか考えらんないのに」
 うわあああ想像しちゃったあ、と沢田は頭を抱えた。
「三日三晩ペッティングは想像できても?」
「まあ…それくらいなら、ありかな」
「それくらい、と来たか!」
「獄寺君、ほっとけばそんくらいしそう」
「いや、爆発が先だろう」
 さすが山本、と沢田は笑う。獄寺の我慢弱さをよく分かっている。
「ところで毎晩かよ」
「毎晩は言い過ぎたかな?」
 沢田がにやりと唇を歪めると、山本が真剣な顔で肩を掴む。
「オレが可哀想だとは思わない?」
「山本のこと信じてるからね」
 唇を触れ合わせ、沢田は囁いた。
「多分、誰よりも信頼してる」
「小僧より?」
「もしかしたら」
「光栄だ」
 ご褒美ということで、もう一つキスを頂く。
 唇を離した沢田は、ところで、と首を傾げる。
「どこからそんな知識?」
「ツナもたまには宿のお姉ちゃんたちと仲良くすべきだぜ。あの娘たちは、頭は悪くない。それに卑下されるほどの商売についちゃいない。何より」
 山本の指が沢田の胸を突く。
「ボンゴレが、お前が守ってるお姉ちゃんたちなんだ」
「でも一番の王子様は山本だよ」
 じゃあ、白馬に乗って出動しなきゃな。山本はベッドから下りると、沢田の前に跪き、手の甲にキスを一つ落とした。
「行ってくるわ」
「行ってらっしゃい」
 ドアを閉める間際、山本は思い出したように振り向く。
「三日三晩は立ち入り禁止か?」
「二十四時間にしとく」
「了解」
 沢田は気絶した獄寺をベッドの上に引っ張り上げ、服を防弾チョッキを脱がせにかかる。
 街に出た山本はお姉ちゃんの豊満な胸に、こうなったら二、三人くらいには挟まれてみたいと思いながら、鼻歌交じりに車のエンジンをふかした。





日記にて。24時間耐久ペッティングはブリーチ作中でも名言と思われる。三日三晩ペッティング云々はフランス書院のコラムで読んだミクロネシアン・セックスの話。