駱駝と針の奇譚 4




 大きな交差点の横断歩道を段階式に曲がって太っちょな女の人がこっちにやってくる。赤い自転車は電動式でいつもピカピカ光ってて太っちょな身体には目が覚めるような鮮やかな蛍光オレンジの雨除けポンチョを着ているから、ぼくは女の人が横断歩道を渡りきるよりも早くそれを見つけたしずっと手を振っていた。自転車はすれ違いざまにスピードを落としてぼくにこう言った。「調子はどう?」あなたは上手くやっているのかしら?っていう質問。ぼくは答える。「何も心配ありません」返事を全部聞く前に自転車は通り過ぎてるけど女の人がピンク色の口紅を塗った唇はにっこり笑っていて、だからぼくが口にするよりも心配ないってことは伝わってたから何も問題ない。きみも心配いりません。
 小雨が降っている。ぼくは傘をささない。引っ越しの時、傘を持ってくるのを忘れたから。走ったら濡れないから走る。特技、走るのが速いこと。松野十四松の履歴書にもそう書いてある。ぼくが書いた。自分で書いた。太っちょの女の人に教えてもらいながら。
 灰色のビルと建物の窓に電気がついているだけで暖かく感じるけど本当はすごく寒い今は一月でぼくが今から向かう保育園に通うようになったのは十一月だからもうすぐ三ヶ月が経つからつまり三ヶ月前にぼくはハローワークに行った。引っ越しの次の日。チョロ松兄さんが駅裏にバイトに出かけてカラ松兄さんが鏡をじっと見ていてぼくはいつもの調子で四畳半のアパートを出たんだけど周りの世界はいつもどおりじゃなくてあんまり見たことのない建物とか道路とか猫とか枯れたエンゼルトランペットとか物凄く背が高い皇帝ダリアとかに囲まれて、あ、このままじゃいけない、と思った。ヤバイこのままじゃ死ぬ。本当に死ぬ。ぼくは子供じゃなくなる日の恐怖が背後から津波のように襲ってくるのを感じて全力で走り出した。子供じゃなくなる日。兄さん達も、ぼくも、弟のトド松も受験に失敗したり上手く就職できなくて学校を卒業したままどうしようってなった時、の既に三年前からぼくは不安だったのは何故かって言うとぼくは昔四十九年前と二十七年前テレビに出てた時みたいに子供でいることに慣れすぎてたから正直社会でやっていける気がしなかったし自分が大人になることの想像もつかなかった。これが一回目の津波。そんでまたテレビに出ることになって身体だけ大人になるって分かってもうヤバイどうしようってテンパって開き直ったら案外世界はそのまま動き出して、あ、ぼく一人悩んだところでどうしようもないんだなっていうのが二回目の津波なんだけどこれは波打ち際のセレナーデみたいなやつ。でも今度はビッグウェーブの気配。今度こそ大人になれなかったら死ぬ。今日の夕飯をどうやって食べるのか誰のお金でお米を買うのか、それともコンビニのお弁当を買うのか全然分からない。頭の中でリフレインしたヤバイヤバーイっていう歌は一松兄さんの自作でぼくはあの家に帰りたくなったけどあの家はもうぼくらの家じゃないのは知ってる。ぼくは走って走って顔見知りのホームレスがいる通りまで走って、あ、ここ上野だ、来たことある、歩いたことある、行きつけの居酒屋があるっていつか兄弟六人で酔っぱらいながら帰った道を逆走してハローワークに飛び込んで受付に立っている綺麗な女の人の前で土下座した。
「安西先生! 野球がしたいです!」
 綺麗な女の人はびっくりしていなくなったけど替わりに太っちょが奥からやってきてポンとぼくの肩を叩いた。その時はまだ目の前の太っちょが男の人か女の人かも分からなかった。いつまで経ってもヒゲが生えないから女の人だって分かった。
 太っちょの女の人はハローワークさんだからぼくにグラウンドへの道を教えてくれるんじゃなくて仕事を紹介してくれる。ぼくをハローワークに登録して、履歴書の書き方を教えて、建物の中に並んだパソコンで野球インストラクターの求人を探す方法を教えてくれて、ぼくが「ここで働きたいです」とプリントアウトした求人票を持っていくと電話で面接の段取りを取ってくれるし紹介状も書いてくれる。ぼくは保育園の野球インストラクターになった。保育園の屋上の高いフェンスに囲まれた人工グラウンドでちっちゃなボクタチに野球を教える。隣の建物にちょうど学童保育が入っててそこでも教える。だから今日も小雨が降ってるけど朝から保育園に行く。
 保育園の入口はピンク色のゾウが大きな画用紙で作って貼ってある。一月はピンクのゾウの背中に鏡餅がのっている飾り。二月はバレンタインを前面に押し出すんだって今受付で笑ってくれた若い事務員の女の子が教えてくれた。お昼ご飯を一緒に食べた後、雨が上がって野球が始まる。
 何も心配ありません。
 と、ぼくは言う。ぼくにもこれくらいは言える。心配はあるけど、それはハローワークさんの管轄外だからぼくは言わない。保育園の事務員の女の子にも言わない。学童保育の先生にも言わない。子供には勿論言わない。帰りに寄った銭湯でバタフライしながら水飛沫の中にぼくは王様の耳はロバの耳をする。あのね、今一緒に暮らしてるカラ松兄さんはインポになっちゃったんだよ。
 女の人とセックスしたことないけど男の人とセックスしたことはあって男の人っていうか兄弟とセックスしてたぼくは童貞なのかどうかフィフティフィフティだけど絶対処女じゃない。誰としたっけ。全員じゃない。チョロ松兄さんは誰ともセックスしなかった。カラ松兄さんもあんまりしなかった。一松兄さんは結構した。トド松に突っ込んでたし、おそ松兄さんにも突っ込んでた。ぼくにも突っ込んだ。ぼくの時は騎上位でした。一松兄さんのリクエストだった。「好きなの?」って聞いたら、一松兄さんはちょっと笑った。「好きなだけ動けよ体力馬鹿」体力馬鹿のぼくが一松兄さんは好きだった。誰よりも長い時間一松兄さんの身体をぎゅっと押し潰すから。でもある朝一松兄さんがカラ松兄さんを殴って前の晩すごいあんあん喘いでセックスしてたのって一松兄さんだったんだってぼくだけじゃなくて兄弟全員内心驚いてた。お尻叩きながらセックスしてたのは丸聞こえだったんだけど、一松兄さんは昨夜のセックスがよかったんだなって知ったからびっくりした。一松兄さんが自分に突っ込ませたのはカラ松兄さんだけ。最後絶対涙とヨダレを垂れ流して喘いでたあの夜だけ。カラ松兄さんめっちゃ頑張ったんだなって8時間しか寝られなくて寝不足のぼくは思った。そのめっちゃ頑張ったカラ松兄さんがね、インポになっちゃったんだよ。
 すげえかわいそう。だってカラ松兄さんはヒモだからセックスができなきゃ生きてる意味ないしインポになったら死ぬしかなくない? 普通に男として生きてられなくない? ヤバイ。想像したら死にそう。勃たないとか超恐い。
 カラ松兄さんはヒモだけどチョロ松兄さんがすごく真面目だから今までセックスしなかった。それで溜めてたのがいけなかったのかな、それともとうさんとかあさんが離婚して兄弟がバラバラになったのがトラウマなのかな、精力が衰えたのかな、とにかくチョロ松兄さんが駅裏のバイトを辞めて始めた駅前のバイトから帰ってきたのは夜中で枕元にバサッて音がしたからまた求人誌を持ってきてて今のバイトも辞めたくなっててゴソゴソ布団に潜り込んだらカラ松兄さんが「待ってたぜ、悲しい瞳のベイビー」ってチョロ松兄さんを抱こうとして、ここでいつもなら無視して寝るはずのチョロ松兄さんがボソボソ何か言って二人はセックスすることになった。ぼくはもう目が覚めてたけどまぜてって言うのも変だし多分チョロ松兄さんは3Pとかしたくないはずだから黙って寝てた。だいたい寝れる。前の家に住んでた時もよくあることだったから。
 でも勃たなかった。勃起しないチンコを見てカラ松兄さんは気絶しかけたみたいでチョロ松兄さんが声を上げてさすがにぼくも起きる。二人とも全裸なのに、セックスする気満々なのに。カラ松兄さんはショックで口からエクトプラズムが出てるし、チョロ松兄さんもテンパっててすごく真面目にカラ松兄さんのチンコを擦ってるからぼくは思わず「がんばれ! がんばれ!」って応援したけどカラ松兄さんのチンコはちっとも頑張らなかった。カラ松兄さんはインポになったのだ。
 インポのカラ松兄さんは最近では鏡も見ない。大体毎日寝てる。チョロ松兄さんがバイトに出掛ける時はいつも晩ご飯を買うための小銭がちゃぶ台の上に載せられてるんだけど、それにも手を着けないで寝てる。ご飯食べないと元気にならないよって言っても溜息も聞こえてこない。
 こんな風に死ぬんだろうか。
 ぼくもこんな風に死ぬのかな。
 最後はチンコも勃たなくなって無気力に溺れる人みたいに死ぬの。
 イ・ヤ・ダ。
「いやだ!」
 お湯の中から顔を上げぼくは立ち上がる。ついでに勃起しててめちゃめちゃ安心する。ぼくは蛇口からお水を飲んでお風呂から出て脱衣場のロッカーに隠してた封筒を取り出す。今日は一月最後の日。給料日だった。ロッカーの中に隠してた封筒は三つ。十一月、十二月、一月。三ヶ月分。六万円ずつ入っている。ぼくは勃起したまま夜の道を走る。三ヶ月も経つのにアパートの周りの道はまだ見慣れなくてソワソワする上にジャージに擦れたチンコがムズムズして本当に爆発しそう。爆発のエネルギーはアパートのドアを開けた途端全部口から飛び出した。
「熱海に行こ!」
 全部ってウソ。パンツにちょっと出た。

 上野発の特急踊り子号に乗って一時間半で熱海に到着する。電車の中でもチョロ松兄さんはまだびっくりしてた。ぼくが働いてたのも信じられなかったし、月六万円を使わずにとってたのも驚いた。ちょっと怒ったけど、それはちょっとだけだった。「僕が二人を養うつもりでいただけなんだよな…」チョロ松兄さんのそれを自惚れだとは思わない。ぼくはチョロ松兄さんがぼくらのために働いてくれたから不安に押し潰されずに毎日保育園に通えた。もし保育園の野球インストラクターの仕事だけで一人で暮らせって言われたらぼくは今頃上野の居酒屋がある道路の上にダンボールを敷いて寝てる。
 驚いてたけどチョロ松兄さんはすぐに喋るのをやめた。カラ松兄さんは朝から黙ってた。もうずっと黙ってる。チョロ松兄さんは昨日駅前のバイトをやめた。ぼくがいない間にもう一度セックスをしようとして二人は失敗していた。ぼくはそれが分かったけど二人もぼくが分かってることを分かってる。
 車内販売であったかいお茶を買う。口いっぱいに頬張って飲んでたら電車が揺れてお茶は口と鼻と耳と頭のてっぺんから一気に飛び出す。ボックス席の向かいに座ってたカラ松兄さんはびしょ濡れになりながら唖然とする。隣に座ってるチョロ松兄さんは最初黙ってたけど、だんだん俯いて笑い出した。そのうちびしょ濡れのカラ松兄さんのほっぺたがだらっと脱力してカラ松兄さんも笑い出した。ぼくはもう一口お茶を飲んで同じことをやった。二人が笑うのをやめるまでそれをやった。結構ずっと笑ってるからお茶が足りなくなって二人の分も飲んだ。
 観光協会に電話をして兄弟で遊びに行くんです、いい所を教えてくださいと言ったら教えてくれたのが港でできる海釣り。チョロ松兄さんは釣り竿なんか持ってないって言ったけど、こういう施設は竿でもバケツでも貸してくれるんだってカラ松兄さんが堂々と入っていった。兄弟の中で一番釣り堀に行くカラ松兄さんだから先輩ぶって色々教えようとするけど全然釣れない。釣り針の先にはラブレターを引っかけてる。チョロ松兄さんはセンスがないから釣れない。ぼくはジャンプした魚を素手で捕まえた。寒いけど凄く晴れていて港は綺麗だった。海が真っ青だ。釣り場からは緑色の山の下に熱海の白いホテルが並んでるのが見えてすごく旅行に来た気分がする。空もすごく綺麗だ。ぼくは雲の数を数えた。同じ数だけ魚を捕まえようと思ったら二個しか浮かんでなかったから三匹捕まえた。獲った魚はお寿司屋さんで料理してもらえる。ぼくらはお魚のテンプラとお寿司を食べる。昨日までちょっとした電気代にも小言を言ったチョロ松兄さんが今日は「カッパ巻きにする?」なんてことは言わなかった。
 温泉も入りたいです、と電話で相談してた。超でかい健康ランドみたいなところを紹介されてたから行ってみたら超でかいホテルっていうか未来の建物みたいなのが海のそばにどどーんと建ってて、ぼくらは水着をレンタルしてその超でかいプールとかウォータースライダーとか泡がブクブクでる超広いお風呂で遊ぶ。水着の女の子もおばさんもいっぱいいる。夜の七時、蛍の光が館内放送で流れ出すまでずっと遊んでた。湯気でほかほかしながら出た時、カラ松兄さんもチョロ松兄さんもすっかりいつもの顔だった。
「ホテルどこ?」
「もうちょっと向こう」
 手描きの地図を見せたけどチョロ松兄さんは首を捻る。
「結構歩くって。タクシー、乗る?」
 その時ぼくらは同じ光景を思い出していた。でもだからって訳じゃない。カラ松兄さんは首を横に振った。チョロ松兄さんが「いいよ、歩こう」って言った。だからぼくらは歩いてホテルに行った。近づいてみたらビビるくらい悪の組織の総本山みたいな格好いい建物のホテルに。外は暗くなってたからホテル全体が光ってるのがマジ威圧感ハンパなくてこのまま入ったら改造されちゃいそうって思うくらい。でもフロントのおにいさんは優しくて他のおにいさんを呼んでぼくらを部屋まで連れてってくれる。すごく上の階までエレベーターで上って、入るともう暖房がついてて部屋は暖かかった。海が見える側は全部テラスに開いた窓で暗い海の上に夜の色んな光がポッポッと光っている。いつの間にかカラ松兄さんが隣に並んで海を眺めてた。
「綺麗な海だな。流石は…熱海湾だ」
「相模湾ね」
 チョロ松兄さんが訂正する。
「もう恥ずかしいからやめろよ。ホテルの人いなかったからいいけどさ」
「オマエも来いよ」
 渋々隣に並んだチョロ松兄さんは口はへの字だけど嫌がってない。
「料理すぐ来るって」
「うん」予約の時に注文してたから。
「中華三十五味プランだって。なんで中華?」
「中華よくない?」
「いいけどさ…」
 チョロ松兄さんはへの字口をもにょもにょ持ち上げて笑った。
 色んな色の色んな形をしたたくさんのお皿に美味しいものがちょっとずつ載ってて最初は物足りないと思ったけど美味しい料理のお皿は次々たくさん出てきてぼくらは久しぶりに満腹になる。大晦日にカップ麺の年越し蕎麦とたくさんのビールでお腹が膨らんだ時以来だ。お酒も飲んだ。やっぱりヱビスでしょって言いながらビールをたくさん飲んだ。満腹になって、またお風呂に行った。最上階の展望大浴場。広いお風呂の向こうにさ・が・み湾が広がってる。海と温泉の区別がつかないくらい海がよく見える。湯船に入る時、ハッと気づいてチョロ松兄さんがぼくを振り向いた。ぼくは、あは、と笑った。バタフライならお昼のマリンスパでたくさん泳いだよ。
 何かを喋る訳じゃない。でも並んで湯船に浸かって、いつまでのお風呂の中にいた。湯あたりしそうになったら露天風呂で風に吹かれて、湯冷めしそうになったら今度はジャグジーに並んで横になった。一緒にいるよ。一緒にいる。喋らなくても分かってる。ぼくらは一緒にいる。すぐ隣に。すぐキスできる距離に。
 浴衣を着て十四畳半の客室に戻るともうお布団が敷いてある。すごい、イイ。勝手に布団が敷いてある生活とかすごくイイ。家より大きなテレビで見たことのないローカル番組を流したり飾られてる掛け軸の裏を覗いて御札が貼られてないか確かめたりしてるけど、他の部屋の明かりもぽつぽつ消え始めて窓の外に広がる海も空もしーんとする。群青色だ。全部群青色だ。
「寝よっか」
 チョロ松兄さんが言った。
「する?」
 ぼくは尋ねる。二人が振り向く。
「するの?」
 チョロ松兄さんはカラ松兄さんを見た。カラ松兄さんはチョロ松兄さんの視線を受けてまたぼくを振り向いた。じっと見る。
「十四松」
「うん」
「抱かせてくれ」
 カラ松兄さんとはセックスしたことないけど「いいよ」っていうのは別にお尻に突っ込んでもいいよって意味だったのにカラ松兄さんはぼくをぎゅっと抱き締めて何も言わない。チョロ松兄さんを見上げると仕方ないなあって顔で近づいてきて両腕を伸ばしてぼくとカラ松兄さんを抱き締める。でもカラ松兄さんはぼくを抱く腕を片方だけ解いてチョロ松兄さんの背中を抱いた。すごく強い力で抱いたからぼくとチョロ松兄さんは顔を押しつけ合いながらカラ松兄さんに抱き締められた。
 ぼくを真ん中にして三人で寝た。いつもは端っこのぼくを真ん中にして。イビキをかくのに。寝相すごいのに。チョロ松兄さんは身を以て知ってるはずなのに。ぼくは寝返りを打つ。寝返りを打ってカラ松兄さんとチョロ松兄さんに交代で抱きつく。抱きつかれた方はしばらくして反対側にぼくを投げ返す。いつの間に眠ったのかは覚えてない。
 朝は凄かった。景色が全部光ってた。ぼくは大きく口を開けて光も朝の冷たい風も身体の中に入れた。寒いと言いながら布団の中でチョロ松兄さんが笑った。カラ松兄さんはまだ寝てる。でも熱海旅行は一泊二日だ。今日が二日目で最終日。
 最終日。
 帰りの電車賃が足りない。特急には乗れなかった。鈍行に乗っても東京駅まで辿り着かなかった。新橋で下りて、その後ずっと歩いた。やっぱり誰も喋らなかった。お昼を過ぎてた。お腹が空いていた。喉も渇いてた。ぼくらは黙ってぼくらが生まれて育った家の前を通り過ぎて懐かしい街並みを懐かしい坂道を歩いた。かわいい形のラボの前まで来た。ぼくは一歩前に出て自動ドアの前で大きく息を吸った。
「たのもー!」






2016