「her 世界にひとつの彼女」感想 人工知能モノだと思ったら普通の恋愛モノだったでござる。 劇場で、「あれ? PG12なの?」って思ったけど、確かにPGだったわ。 擬似セか……いや、個人的な好みで云えばあれ擬似セって云うにも浅いと思ってるから。 OSが人工知能で…っていう話は予告の時から面白そうで、一つ気に懸かっていたことと云えばその人工知能OSの声が普通に女性の肉声っぽかったこと。 ここで気づくべきだったんだな、これフツーの恋愛モノやぞ、と。 肉体のある男と、肉体を持たない人工知能の恋。その違いのもどかしさとか、触れられない焦れとか、そこはまあ確かに人間とAIの恋の最初のお約束なのかもしれないけど、もっとAIらしい奥行きに欠けるというか。 描かれ方としてあまりに人間の女性っぽいので、そこは広大な知識の海と接続できるAIなんだからもっと超然としようぜっていう部分がウェットすぎて、女性の姿がないだけでただの恋愛モノだなあってなってきて後半もうほとんど寝そうっていうか寝たかったし、っていうかラストシーンは寝てた。 だって!予告で!会いに行く、とか云ってたから、これはもう偏在化するしかないな!って期待してたんだもの! なのにAIがOSらしい仕事してたのは最初だけだわ、ほとんど半分は主人公との恋愛で悩んでるわ、折角アップデートしたのに生まれたギャップにゾッとするようなこともないわ。 いや、OSとセックスすんなとは云わないよ。 AIと擬似セすんなとは云わないよ、寧ろやっちゃいなよだけど、感じ方があまりにも人間の感覚すぎて、違う、多分快楽ってもっと奥深い…、ってテレセの盗み聞きしているかのような真っ暗なスクリーンを観ながら思った。 少なくとも偏在化までは有りだったろうが…。 他にも機械姦とか脳姦とか色々あったろうがよ…。 (『PLUTO』のゲジヒトがブラウのメモリーを自分の中に入れるシーンは、あれエロだから) いや何でもかんでもすりゃいいってものじゃないんだけど(機械姦もモノによる)つまり期待してた人工知能モノの面白味の期待分がほぼゼロだったことが一番の不満だな。 っていうかそうか、一般ウケするのはこの人間っぽいとこなのか…。 主人公が最初に使ってるテキスト読み上げタイプOSのがむしろそそるタイプには好みのズレた映画だったのかもしれない。 やっぱ音声って大事よ。 予告の時から、OSの声がGLaDOSたんだったらなあ、と思ってたけどGLaDOSたんは多分セックスしない。 っていうかその方が面白かった多分。 ゲジヒト>GLaDOSたん>Siri>『イーグルアイ』のアリアたん>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>OS1 ちなみに自分のところにも人工知能OSが来たら? ほら、私には既にノルマちゃんがいましたので。 |