「300」感想



戦争だ!
迷わず戦争だ!
躊躇無く戦争を実行している!

数ヶ月ぶりの映画として、これを観るとは、多分思ってはいなかった。
その前にバッテリーとか、バベルとか、
観にいかなきゃと思っていた映画がいくつもあったし、
鬼太郎とか、時間があれば観に行きたいなと思っていた映画もあったからだ。
でも、どうしてかなあ、結局どれもこれも観れないまま
(そう酷評されたらしいけど、ハンニバルライジングだって観に行きたかったのに)
ようやく、雨の降り出しそうな六月の午後に、ようやく、私の足は映画館に向き、
そして、観終えてからは、何故この作品、とは問わない。
今の心では、これを観るしかなかったし、一体何がこれ以上の興奮をさせただろう。

と言う訳で戦争です。
肉を貫く鉄の音。
肉を切り裂く鉄の音。
幾万の力を押し返し、そして殺しにかかる三百の鉄の音!
ああもう興奮せずにいられようか。
土地を、水を、家族を守るための手段としての戦争。
だがしかしスパルタの足はそんなものも踏み消して進んで、
そしてただひたすらに、戦うための身体で、戦い続ける。
ためらいなく、ですよ。
ためらいなく殺し、躊躇なく殺されるのだ。
鉄の音がいつまでも耳に残る。
そしてその感触を思い出す。
殺すための美しい隊列と、舞踏のような殺人術。
戦うために、まるで正気を保ったままで、そのくせこぼれる笑みや軽口。

実は、この感想を書く前に、他のサイトさんで感想を読んだりして、
だいたい言いたいことは、もうそこに書かれていたので満足してしまったのでした。
ので、個人的に、ひたすら血飛沫と鉄の音に陶然としたことを覚え書きに。

でも、確かに敵の王様はオカマっぽかった。
気のせいじゃなかったんだなあ。

動物が素敵だった。
冒頭の狼もよかったけど、やっぱり象さんかな!
象さん、あの優しい目をした動物を戦争に駆り出すなんて
ペルシア軍ってひどいやつ!と思いつつ、
海に落ちてゆく象さんを観ながら、ほっとしたり、見惚れたり。

最後に全てのスパルタ兵士が地に斃れた絵は、もう映画なのか、絵画なのか
見分けがつかないほど美しかった。
ほんと、「宗教画のよう」という表現が相応しい。

んで、エンドロールかっこよかったなあ。
あればっかり、あと二回は繰り返して観たかった。

血が沸く、肉が踊る、昂然とする。
だって、すっごく格好いいんだぜ!