「さくらん」感想 『ユメ十夜』と悩みました。けれども決意までの時間は短かった。 決め手は駐車場代の安さか? ノン! だって大好きな清次どんを、これまた大好きな安藤政信が演るんですよ。 こっちに転ぶじゃないですか…。 すみません、もう、清次どんばっかり見てました。 花魁道中のシーンなんか、スクリーンのこっち側に正面から視線が来るんですよ もう耳まで赤くなってるのが分かりましたし。 原作付きの映画だと大体心配になるものです。 更に、映像の美しい人の初監督作品となると、映画としてどうなのかとこれまた心配です。 期待より、裏切られたらという恐ろしさ、興味より、義務感の方が先立つ 映画館までの足取りでしたが、で、結果はどうだったのか、と。 にやけて劇場を出てきました。 好きな映画は人に薦めたくなる。面白かった映画、これはよかったよ。 また後味のよいものでなくても、一生に一度は観といた方がいい映画だよ、とか。 が、『さくらん』は、もう私一人満足したので、それで完結します、と。 映像美とか、予想以上にしっかりしてた脚本とか、エロ描写は、とか、 夏木マリが湯婆々だ―――!!とか、椎名林檎さんの音楽とか、 語ろうと思えば語れるものは多いはずなのですが、……こればっかりはなあ。 個人的好みの話になりますが、冒頭にも書きましたが、清次というキャラが好きなのです。 で、清次と主人公のきよ葉(日暮)の関係も好きだったのですね。 だからラストが、この二人の菜の花の野行き、桜並木行き、っていうのが、 え? 私、同人っぽい夢を見てるんじゃないの? 嘘? マジで? という。 自分で都合の良いように脳内処理をかけたんじゃないかと疑いました。 でも目の前のスクリーンの中、満開の桜に向かって、 日暮と清次どんが楽しそうに走っていくんですよね。 ありがとう脚本の人、ありがとう監督……! ね、もう冷静な感想にならないんです。 スマステでゴローちゃんが「物足りない」って言ってましたが、 私は勿論、こんな欲目があるのでそんなことはなく、 でも欲目を抜きにしても、脚本も濡れ場も文句なかったので、 これが男女の性差かな、と思ったり。 や、『愛ルケ』よりも、こっちの濡れ場の方が感覚的にしっくりいきますわ確かに。 |