「劇場版イナズマイレブンGOvsダンボール戦機W」感想



いや…言いたいことはあるんだけど、今まで作られた劇場版の中で一番納得のいく敵役と物語の解決だったなって…。
映画が終わってシアター内が明るくなると、同じ列に座っていた小学生らしい兄弟がすんすん泣いてたんですよ。後ろの席の親子連れもすんすん泣いてたんですよ。というかラストシーンから洟をすする音が聞こえてたんですよ。それでね、もう良かったんじゃないかって。
地上から戦いを消滅させるために、戦争、もっと言えば圧倒的な力を持って否応なくそれを行うあたり侵略と表現できるような手段を取ったフランを動かしていたのは行き場のない悲しみと憤りで、それを全部受け止めるっていうのがね…本当に良かった。センジュ君を思い出したわ…。仏ゾーンがまた読みたい…。シャーマンキングも読みたい。ユンボルも…。HIRO先生、次回のダン戦外伝では灰原ユウヤ描いてくださいお願いします…。
で、主役の天馬たちが全て受け止めるという結論を出すために犠牲になったキャラクターたちがいた訳で…。正直、数名はストーリー上の犠牲になったとしか言えない感じに初見ではなってしまうけれども、補完をすることは可能かな。描かれた姿が衝撃的でもあるので、最初はどうしよう…ってなるけど。私はダン戦サイド、特にジンとユウヤの補完ストーリーを書きましたが、鑑賞後一週間後くらいでしたね。
いやさ、ジン様が感情的に怒った時、自分が怒られたのと同じ肉体反応があったもの。直後、灰原ユウヤが自害しかねんぞ…って思ったもの。イナクロ側でも同じ現象が起きた時は割と対立してて、ダン戦サイドのアスカもジェシカに向かって言い返してたけど、ユウヤは…って思ったら案の定の狼狽えようで…ホッとした…。いや、案の定とか言いつつ、これでユウヤが言い返したりしてたらこっちが再起不能だったわ。
今、wikiでも確認したけど脚本は日野が一人で書いたのだっけ。富岡さんはノベライゼスの方か。自分にブーメランしてくると分かった上で自戒も込めて言えば、映画なら映画という媒体で作品がある場合、それで完成すべきだし、物語世界を受け手に向けて開かなきゃならんと思うわけですよ。ノベライゼスで補完するとかね、読まない人間はどうなるんだって、ね。しかしファンの多い大きなタイトルだったら尚のことメディアミックスからは逃れられない上に、イナイレ、ダン戦は最初からメディアミックスありきで展開してる作品であって…。そりゃ映画を観た人間が全員ノベライゼスを買うというのが金を動かしている側からしたら理想的なのかもしれないけどね。
で、話がちょっと逸れちゃったけど、日野脚本って大事なところを描写じゃなくて言葉でゴリ押しする感じがあるから、今回もラストがすごくいい方向には行ってるんだけど暴発気味で。準主役キャラの扱いも含め、そういう風に損をしているところはあるけど…比較的…良かった…なあ。最後に描かれた未来へ続く希望が嘘くさくなかったのは、うん、偉い。

星野さんと渡辺明乃さんの出番、CCMボイスだけかと思ったらフランの両親の声だった…。などと小ネタで〆つつ、さてどうするかなあ、イナダン小説。