「裏切りのサーカス」感想 邦題はらしい邦題と言えばそうですが、確かに原題の『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』の方が格好良い気がします。そうおっしゃったサカモトさんが「コリン・ファースは国王やってる場合じゃねえ!」とおっしゃったので、タイトルを急遽変更し観に行きました。結果、最初は何の映画を観に行こうとしていたのか忘れました。そのくらい満足する映画です。というか劇場に大きなポスターの案内があったけれども、一度で全て理解できたかどうか。 スパイの本領は頭脳戦。 それを遺憾なく堪能できる映画です。堪能どころか二度、三度と観ても楽しめるはず。どうせなら誰かと喋りたくなるので腐思考や文学嗜好の相性がいい人と一緒に観たい。 いつかも言いましたが、私は基本的には映画は一人で観たいたちで、誰かと観たいとか感想を話したいと思う時は、よっぽど性に合うエンターテイメント性のある映画だったんだなあと思います。シーンや景色の一つ一つも好きですが、こんなに映画的で美しいのにしっかりとエンターテイメントなので、文学とエンタメも同時に目指すことは可能なんだなあ、と作り手としては随分離れた所から背中を追いかけながら拳を握りしめる気持ちです。 いい男よりどりみどり、という言い方はちょっとあれだけど、男性性の魅力の詰まった映画ですね。描きたくなる男。コリン・ファース、いいね……。 |