「ベルセルク 黄金時代篇1 覇王の卵」感想



冒頭の、この瞳の上に鳥影が落ち、眩しい光輪を見上げてからあっという間の90分です。
剣戟の音、刃の震え、飛び散り噎せ返る血に城の燃える匂い。
しかし今はまだガッツとグリフィスの間には爽やかな風が吹く。

まずアニメーションといえばアニメーションです、モーションの心地良さです。
スタジオ4℃らしい感じは、その異様に動く感じというよりも、全体的な描き方かな、と。
いや、しかし剣戟のシーンはまこと心地良い。

ストーリーに関してはほとんど知識がないので、ほーこういう物語なのかー、と純粋に楽しんでいっています。
結構リアルな描写で進んでいたので、ノスフェラトゥ・ゾッドが登場した時は驚きました。
そしてゾッド、格好良いですね。すごく好みです。あの角、あの翼、そして哲学を持っている。めちゃめちゃ好みの悪魔の姿そのもので、劇場の椅子の上で悶えそうでした。
しかしそれをも超える悶えがやってきたのです。
ベヘリットを片手に満面の笑みのグリフィス。

「いいだろう」

いやー、いい櫻井でした。
ベスト・オブ・櫻井は現在、009島村ジョーと、クロ高の神山君で、三本指にするには枠がもう一つ余っているなあと思っていたのですが、文句なしここに入りますね。
いい櫻井です。
「お前はオレのものだ」とか、もうこの後どんどん不幸になる気配しかしない。
一応、この後どうなるかは知ってますので…、ええ…、ぞくぞくしますね。

主人公のガッツですが。
以前ヒラコーの漫画だったか、某掲示板だったかで「ガッツは頑張り屋さん」という言葉を聞いて、私にとってのベルセルクの第一印象とはそれでした。
グリフィスの剣で貫かれて二日二晩の間に見た悪夢から察するに、本当に碌でもない目にばかり遭っているようで、ここから第三部(くらい?)で更にグリフィスの裏切りにあうかと思うとドキドキしますね。
映画冒頭から三年の間に、本当にムキムキになって。
冒頭の戦闘シーンで「小僧」と言われていて、十分ごつい感じがするけどなあ、と思っていましたが、それどころじゃなかった。
声はオーズの伊達さんとのことですが、良かったと思います。違和感なし。
まあOVAやゲームの方は知らないのですが、それでも。

ラストシーン近くは、人間の関係は自然と複雑になって、それゆえに面白いんだなあと思いました。
ガッツがユリウス暗殺に首尾良くいかないあたり、こう、ままならないなあ現実って。
しかも少年、子どもがめちゃ可愛く描かれるので、目の保養であり、つらかったです。

ジュドーの声は石田かと思っていましたが、梶でした。気づけよ…。

主題歌は師匠です。師匠ー!
音楽は鷺巣詩郎です。スカルマンでお世話になった人だと思ったら、ナディアもエヴァもうしとらもこの方でした。お世話になります!