「シングルマン」感想



愛する人を失い、彼のいない世界に耐えかねて準備した自殺。その一日。

全てから手を離そうとする、その時に分かる些細なサインや向けられた感情の爪先。
そして訪れるべくして訪れる死。
悲しみを、思い出を、些細な今を丁寧に美しく描き出した映画。

人生の美しさは愛の側にあるのかもしれないと、夢を見るように思う。
愛し合う時間に。そして、愛を失った余韻の中にも。