「おくりびと」感想



冒頭から笑わせるから、凄い。
ただ泣かせるための映画じゃないから、好きだ。
地獄堂霊界通信で、ネガティブな部分も含めて幸福がある、という意味の
科白がありましたが、正しく、そういう両面の部分、
人生のネガティブ、ポジティブ、全部をひっくるめて、
それが死んだ後のその姿に表されて、あの姿になるんだなあ、と。
本屋も担当が勝負と言うけれど、人の死に際も誰が触れてくれるかによるみたい。

あんな風に触れてもらえるならなあ、と思う。
死ぬのは怖いかもしれないけれど、
穏やかな眠りへの、はかないチケットとして。

観てから随分間を置いての感想なので、短いですが、
あと特筆すべきは食べる描写でしょうか。
困ったことに美味いんだこれが。
私はそのことがとても愛しくて、
あんな小説を書いてみたいと思う。