「残穢 住んではいけない部屋」感想 かつて炬燵布団に隠れ恐怖に震えながらも見続けた「世にも奇妙な物語」の面白さ、怖さを重ねていったら2時間の面白い映画になった感じで怖さの原因を追いかけていく心はテンションが上がるのだけれど、その果てで梯子を外されて恐怖の只中に置いてけぼりにされたような。なんとも言えず怖い。 恐怖の根源を追いかけているのに、追いかけているはずの恐怖がどんどん拡散する。「呪怨」とはまた違った終わりのなさ逃げ場のなさ。解決法など存在しないのだ。収拾がつかない。そのことがじんわり怖い。自分が何もしていなくても触れれば呪われるのだから仕方がない。 初めはマンションの一室に住む女性の違和感から始まった。何かで畳を擦る音がする。部屋で自殺した人がいるのではと思ったけどそんな事実はない。すると他の部屋でも怪異現象は起きていた。じゃあマンション全体では?と思ったけどそんなことはない。じゃあこの土地に問題があるのか?とマンションが建つ前に存在した家の事を調べ始め…住人がどこから来たのか遡り…キリがない…。劇中でも言われたことだけど、その土地で何かが起こったとか言い出したら安全な場所なんかないんじゃないの。この、劇中人物を追い詰める感覚が観客まで侵食してくる感じ好きよ…夜トイレに行けなくなるけど…。 さて、直接的に怖がらせてくるシーンもこの映画にはあるのですが。「リング」だったらテレビから貞子が出てくるし、「呪怨」だったら伽椰子さんが階段から下りてくる。この映画でも姿ある怨念が迫ってくるシーンがあるんだけど、何故CGなんだろう。最初は…CG人形のぎこちない動きによってちょっと昔の世にも奇妙な的な怖さを醸し出そうとしているのかと思っていたけど、他の人の感想を見たら「CGがショボイ」とバッサリ切ってあって、あっ…、と笑みが生温くなった。何故最初から人に演じさせなかったのか。 原作は「手元に置いておきたくない」という感想が出るほど怖いと聞いて、仕事帰りに買いに行ったのですが、気づけば「キングコング髑髏島の巨神ノベライズ」を買っていました。キングコングの表紙を見た瞬間から「残穢」のこと本気で忘れていた…。グンペイのことが詳しく知りたいんだよ。グンペイとマーロウが軍服を脱ぐまでの少なからずあっただろう葛藤と、二人の共闘の痕跡が知りたいんだよ。 |