「キングコング 髑髏島の巨神」感想



今年三大ゴリラ映画最後にして最大の刺客はポスターや予告の叩きつけてきたとおり面白さが殴りかかってくる映画でした。あははーーーーあははははーーーーあはーーーはーーーたーーーーのしーーーーーーー!!!!(背後で人間が虫けらのようにプチプチ潰されている)
渦巻く嵐を越えて辿り着いた神秘の島で巨大生物がドカドカ現れる中でサバイバルって、そりゃもう見てる側は楽しい訳であります。人間がプチプチ潰されるのも、最初にこちらが爆弾を落としたからという理由があるからで、コングさん超こええ、でもやっちゃってください!と完全にコングサイドでの応援。
しかし人間側にも応援した人がいる。第二次世界大戦中に墜落し、このサバイバルアイランドで生き残った老兵のマーロウさんである。まとうのは兄弟の誓いをした友人のフライトジャケット、手に握るのは友人の日本刀。これが、まあ、格好いいんですよ!(ダン!)日本刀を収めるシーンがたびたび大写しになるのですが、そのたびにキャー!カッコイー!と内心大歓声ですよ。
そう言えば時代設定がいいんですな。冷戦中です。背景で磁気テープのリールがキコキコ回っている時代です。ベトナム戦争の終結、心にぽっかり穴を空けたサミュエル・L・ジャクソン。再び鉄火の匂いを嗅いで髑髏島に身を投じ、地獄を作り出した男。これがまあ…いい上官なんですよねえ。でも戦争にどっぷり浸かって、戦場以外じゃ生きられなくなって、今だったらこのタイプもPTSDに分類されるんじゃないでしょうか。『ゴールデンカムイ』でも月島軍曹が言っていましたが、完全な戦争中毒者。と同時に、到着早々コングに部下を殺された彼の目は話に聞いた『白鯨』のエイハブ船長を思わせます。狂気だ!
監督が意図的にそういう作り方をしたそうですが、面白いと思ったものをてんこ盛りにして圧縮して2時間に詰め込んだら、これまた面白い映画が出来たという。途中「あれ? グレートウォールだっけ?」と思いましたね。砦攻防戦はメインの戦いじゃないんだけど、砦のあのギミックは面白かったなあ。そして「お嬢さん」で見られるかと思ったけど見られなかった触手プレイをやってくれたのがコングさん。しかもそのまま踊り食い。更には鎖で拘束したところを攻められるコングさん。コングさんは物語中、人間のキャラクターを含めてもぶっちぎりで一番格好いいのですが(2位はガンペイ)直立して格好よし、後ろ姿格好よし、しかも尻の形よし、前屈みのゴリラ体勢の迫力は当然のこと、ドラミングされると否応なくテンション上がる。しかも案外若いコングさんなんですよね。嫁はいるんだろうか…。
巨大生物の中で、コングさんの他大好きなのは水牛です。ああいうの大好き! 自然と一体化しちゃてるのがもう大好き(バッタのアレは擬態なので…)。髑髏クローラーは…あれ脚2本しかないんだね、すげえなあ…。機動性と不気味さと、まあよくもあんな姿をデザインできたもんだなあ、すげえなあ…。
人間側はヒロイン2人とか多いんじゃないのと思っていましたが、そうだった、キングコングといえば金髪美女がお約束だった…。
そう言えば今回の映画、突然巨大生物が出てきたりビクッとするシーンで同じ列の人と後ろの列の人が毎回ガタガタッと揺れるのが面白かったです。で、それらの人々がエンドロールの途中で、しかもエンドロール後半で席を立っちゃったんですけど…最後まで見なくてよかったのかい? 次回作があるにしろ、The world is bigger than us を仄めかすだけにしろあのエンディングは良かったなあ。そして次回作を期待したい。でも次回作だけじゃなくて、マーロウとガンペイが二人で頑張ってた頃の話(グレートウォールも二人のいる時期に作られたものっぽいですよね?)を見たいなー!と思うのですが。