「ユーリー・ノルシュテイン監督特集上映

アニメーションの神様、その美しき世界」感想



上映作品は以下6作。
「25日・最初の日」「ケルジェネツの戦い」「キツネとウサギ」「アオサギとツル」「霧の中のハリネズミ」「話の話」。

ああ、表現を諦めちゃいけないんだ。
分かりやすさとか、伝わらなきゃとか、そりゃそうなんだけど、受け手がいてこその創作ではあるんだけれど、まず表現なんだ。
表現したいものを100%表現するんだ。
あますとこなく表現するんだ、そのために表現の模索をするんだ。
100%の表現が、100%伝わることじゃないのは分かってる。
でもやるんだよ、表現するんだよ、ありとあらゆる表現をする己を諦めちゃいけないんだ。

「ニーチェの馬」を観た頃と同じ気持ちだ。
このところエンタメ作品を特に意識して観ていて、面白いこと全部やんなきゃだな!と思った。
同時に、表現というものに頭からダイヴして、藁を握り締めて泳がなきゃいけないという気分。
全てが理解できていなくても、今夜観た映画はどれも夢に出てきそうだ。
数年経ったって夢に出てくるかもしれない。
俗世を離れた悲しみ苦しみの暗色が不快感ではなく胸に残っている。
暗色が街を作り、森を作り、路地の上に私を立たせる。
これは、伝わった、ということではないのか?