「笑いの大学(舞台版)」感想 三谷幸喜作品は基本「ショウ・マスト・ゴー・オン」なんだなあ、 というのは三谷作品を見ての毎度の感想なのですが、 私はこれが一番好きかもなあ。 映画版はリアルタイムで見ていて、その時も検閲官×劇作家で萌えてましたが。 が、ですよ。 しかし、ですよ、奥さん。 西村雅彦+近藤芳正版の方が、映画の役所好司+稲垣吾郎版の2、30倍色っぽいんだ。 本当に、物凄く色気があるんだ。 これが本当の話なんだ。 ぶっちゃげ、映画版よりも萌えて、萌えた本人が吃驚した。 話は、戦時中の劇作家と検閲官が台本の検閲を巡って行うコメディなのですが、 徐々に芝居の楽しさに引き込まれてしまう検閲官のストイックさと どっぷり惚れてしまってからのノリっぷりのギャップが、たまらん。 そう言ってしまうと、映画と何ら変わらないんだけど、 西村雅彦のストイックさが、予想の範囲外というか、 今まで知っている西村雅彦像からして、もう常軌を逸しているくらいに良い。 そして七日目の、ついに検閲官として、あるいはこの時代の公僕として 絶対に言ってはならない言葉を劇作家に向かってかけてしまうあのシーンは 映画以上に時めいた。 本当に、このトキメキを何処へ持って行けばいいか解らなかった。 折角、感想を書くんだから舞台版と映画版の違いと楽しみとか書けばいいんですけどね。 舞台だと話題に出てくるだけだった「さるまた失敬」を映画だと小松の親分がやってくれるとか 映画だと部屋の外の様子が沢山描かれるところを、舞台はソリッドシチュエーションなので その分、二人の会話・雑談が多く、特にカラスの話なんか最高だとか。 が、しかし、この二人の色気が映画版より30倍凄いってだけで もう充分、凄いんだよなあ。 ごく個人的には、舞台版の方がお薦め。 |