「アフター・アース」感想



モアナ、アサクリ、シックス・センスときて最後の最後で盛り下がった一作。

未見だと思っていたら、観たことありました。
冒頭五分で観るのをやめていたよ。
ウィル・スミス親子映画か…いいや……と思って。

宇多丸さんが「シャマランのアクションシーンは地味」と端的に感想をおっしゃったんですが、それ本当。
ましてアサシン・クリードでレベルの高いアクションシーンを見た後ですよ。
「ふーん………」
およそ始終このテンションでした。
そんなにサバイバルでもないし。
冒頭で主人公の少年が「実技が駄目」って言ってレンジャーに合格できなかったんだけど、お前、その通りだよ。
明らかに卒業レベルに達してないよ。
レンジャーに合格したら周囲が迷惑するレベルだよ。
この少年にだいたいイラッとしどおしで、イラッとさせる少年を演じられるスミス息子の演技力って考えてみれば高いんだろうけど、でもイラッとする。
ワールドトリガーの登場人物を投入したかった。
創作の世界でくらい、知恵と経験と思考をフル回転で解決していく姿勢が見たいよ。
まず正確な報告ができない時点でお前は完全にアウトだよ。

まあ全部がけなしどころってんじゃなくて、ラストで主人公が恐怖の一線を超えるあたりの演出は好きでした。
静かに降りしきる灰。
横たわった肉体の上を沈黙とともに歩み去ろうとする異形。
うん、シャマランってこんな感じだよね、こういうのが見たかった。

映画としては、作中世界の人類史や社会に影響を与えるような事件が起きた訳でもなく、親子の絆が深まり、息子が自分はレンジャーに向いてないと気づくまでの映画で、「うむ、この物語の存在意義とは…?」と真顔で問うてしまう一作でございます。